医療法人かくいわ会 Iwano ENT Surgicenter
病気の解説と治療法 > 鼻の病気 > 副鼻腔炎(蓄膿症)> 手術療法-1
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病気の解説と治療法【鼻の病気】
 
手術療法-1:ESS(内視鏡下副鼻腔手術)
 
薬や局所の掃除などの保存的治療で良くならない場合や何度も反復する場合には手術療法が必要となることがあります。10年ほど前までの副鼻腔手術の考え方は、副鼻腔の骨や粘膜をできる限り剥がすのが良いとされており、結果的に骨の表面が広く露出し副鼻腔の生理的状態が損なわれる事が少なくありませんでした。しかしながら、近年の研究により副鼻腔炎の原因の多くは固有鼻腔(いわゆる鼻の中)にあり、固有鼻腔の病変が改善し、固有鼻腔と副鼻腔間の交通がつけば全ての粘膜を除去するよりある程度保存する方がより生理的状態に近い形で治ることがわかってきました。すなわち、固有鼻腔の形を改善し、固有鼻腔と副鼻腔の間の一部の病的粘膜や骨を除去すれば副鼻腔の奥深くの粘膜は触らない方が良いというのが現在の考え方であり、そのためには従来のように上唇の裏で歯茎を切って骨の一部をノミで落とすのではなく、鼻の穴から全ての手術操作を行う方がより合目的であると考えられています。また、近年の医療機器の進歩により、肉眼では見えなかった鼻の奥や角度のある部位も特殊な小型カメラである内視鏡を用いることにより手術操作が可能となり、マイクロ・デブリッダーと呼ばれる電気カミソリのような内視鏡用の手術器具も開発されました。このような手術概念や医療機器の変化に伴い急速に普及してきたのがESS(内視鏡下副鼻腔手術)です。従来の手術と比べてESSの大きな利点の一つに手術侵襲が小さい (体に対するダメージが少ない) 事が挙げられます。  
したがって、従来法が両側で2〜3週間の入院が必要であったのに対し、多くの施設でESSは1週間程度の入院で行われています。ただし、内視鏡を用いるから、あるいは手術侵襲が小さいからといってESSが簡単な手術であるというわけではありません。むしろ。モニターに写る平面的な術野を見ながら行う手術であるために従来以上に深い解剖学的知識と豊富な経験が要求される術式とも言えます。当院では病変の程度に応じて日帰りから3日間の入院で施行しております。

この短期入院手術は経験の豊富な専門の医師がパワーパンチなどの新しい手術器具や術式を工夫することによって可能になっていると考えておりますが、当院で手術を施行した患者さんのほとんどが短期入院に満足されておられます。詳しくは治療実績をご覧下さい。
   
術前CT
術後CT
ESS手術後の治療
ほとんどの病気に共通することですが、副鼻腔炎の場合も手術後の経過の観察が重要です。
一般的に副鼻腔炎の治療における重要性は手術が6〜7割、術後治療が3〜4割と言われています。
術後治療としては痂皮(かさぶた)の除去や貯まっている鼻汁の吸引などの局所の処置や必要に応じてお薬の投与を行います。経過中にポリープの再発が認められた時などには外来で摘出したりすることもありますが、再手術が必要となる率は10%未満です。
おおよその治療の頻度としては術後1ヶ月は週に1度、つぎの1ヶ月は2週に1度、つぎの3ヶ月は月に1度の割で行い、その後は徐々に間隔を開けていきます。最終的に1年以上は経過観察することが望ましいと思います。
勿論、遠方の場合などで通院が困難であればお近くの耳鼻科を紹介して術後治療をお願いします。