| 薬や局所の掃除などの保存的治療で良くならない場合や何度も反復する場合には手術療法が必要となることがあります。10年ほど前までの副鼻腔手術の考え方は、副鼻腔の骨や粘膜をできる限り剥がすのが良いとされており、結果的に骨の表面が広く露出し副鼻腔の生理的状態が損なわれる事が少なくありませんでした。しかしながら、近年の研究により副鼻腔炎の原因の多くは固有鼻腔(いわゆる鼻の中)にあり、固有鼻腔の病変が改善し、固有鼻腔と副鼻腔間の交通がつけば全ての粘膜を除去するよりある程度保存する方がより生理的状態に近い形で治ることがわかってきました。すなわち、固有鼻腔の形を改善し、固有鼻腔と副鼻腔の間の一部の病的粘膜や骨を除去すれば副鼻腔の奥深くの粘膜は触らない方が良いというのが現在の考え方であり、そのためには従来のように上唇の裏で歯茎を切って骨の一部をノミで落とすのではなく、鼻の穴から全ての手術操作を行う方がより合目的であると考えられています。また、近年の医療機器の進歩により、肉眼では見えなかった鼻の奥や角度のある部位も特殊な小型カメラである内視鏡を用いることにより手術操作が可能となり、マイクロ・デブリッダーと呼ばれる電気カミソリのような内視鏡用の手術器具も開発されました。このような手術概念や医療機器の変化に伴い急速に普及してきたのがESS(内視鏡下副鼻腔手術)です。従来の手術と比べてESSの大きな利点の一つに手術侵襲が小さい (体に対するダメージが少ない) 事が挙げられます。 |
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